登山記録 – 虹芝寮 https://koshiryo.com 成蹊学園山岳部OB会・踏高会による虹芝寮(こうしりょう)のサイトです Tue, 08 Feb 2022 11:33:15 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.5.2 群馬県境トレイル(三坂峠~平標山) https://koshiryo.com/2020/11/%e7%be%a4%e9%a6%ac%e7%9c%8c%e5%a2%83%e3%83%88%e3%83%ac%e3%82%a4%e3%83%ab%ef%bc%88%e4%b8%89%e5%9d%82%e5%b3%a0%ef%bd%9e%e5%b9%b3%e6%a8%99%e5%b1%b1%ef%bc%89/ https://koshiryo.com/2020/11/%e7%be%a4%e9%a6%ac%e7%9c%8c%e5%a2%83%e3%83%88%e3%83%ac%e3%82%a4%e3%83%ab%ef%bc%88%e4%b8%89%e5%9d%82%e5%b3%a0%ef%bd%9e%e5%b9%b3%e6%a8%99%e5%b1%b1%ef%bc%89/#respond Sun, 08 Nov 2020 12:49:49 +0000 http://koshiryo.com/?p=3828 Continue reading ]]>

令和2年(2020)年10月31日(土) 晴れ

石楠花会 松浦 圭 西岡 幸祐   踏高会 柿沼 恭介

6:50湯の沢駐車出発~7:23渡渉点~8:10三坂峠~9:08稲包山~10:56キワノ平ノ頭~11:30鉄塔下~11:38長倉山~12:03三国峠~休憩~12:30三国峠発~13:09三国山~14:50三角山~15:37平標山の家

 湯の沢駐車場は昔三国スキー場があった場所で今はススキが風に揺れている。路肩に車を停めて三坂峠に向けて出発する。石楠花会松浦さん、西岡君、踏高会柿沼の3名。前日に雪が降り標高1,300ⅿ以上は積雪がある。三坂峠までは北斜面の沢沿いを行く。渡渉してから尾根に取りつく。渡渉点から40分ほどで野反湖方面との分岐点である。三坂峠はもう少し先。稲包山までは見晴らしの良い尾根を歩く。稲包山で休憩する。ここは360度の展望台、目指す平標山だけは雲の中であるがこの後雲がなくなる。三国峠までは近いようで遠い。送電線の下をくぐり小さなアップダウン。最後に大きく下ると三国峠である。ここは南北に峠が走っており、街道を通った著名人の名前の石碑がある。坂上田村麻呂が第1にある。松浦さん手作りサンドイッチをみなでいただく。ここから三国山の300ⅿの登りだが木道階段がきつい。50分の階段登りをやって三国山の頂上である。ここから5つほどのアップダウンを繰り返し大源田山を巻いてしばらく行くと平標山の家に着く。テン場は2か所あり、南側に2張、北側に2張だった。豚肉とニラの火鍋を食べて疲れを癒す。

11月1日(日) 晴れ

6:30平標山の家出発~7:30平標山頂~8:00仙の倉手前好展望台へ~8:30平標山頂戻り~8:37下山開始~11:00松手山登山口~11:15元橋駐車場

 朝から快晴である。木道は凍り付いており慎重に歩く。平標山まで近そうであるがなかなか着かない。それまでは風がなかったが頂上に立った途端に強い東風に吹かれた。頂上からは巻機山、越後三山、未丈ヶ岳などが見える。仙の倉山に近い展望台まで足を運ぶ。戻って松手山登山口を下る。9合目までは風が強い。足元が凍り付いている。日曜日とあって多くの登山者が登ってきている。松手山で休憩する。その後樹林帯に入り、鉄塔を過ぎれば美しいブナ林に入る。ふもとの元橋駐車場付近は紅葉がピークだった。

令和2年(2020)10月31日(土)湯の沢駐車場
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信越トレイル(関田山脈) https://koshiryo.com/2020/10/%e4%bf%a1%e8%b6%8a%e3%83%88%e3%83%ac%e3%82%a4%e3%83%ab%ef%bc%88%e9%96%a2%e7%94%b0%e5%b1%b1%e8%84%88%ef%bc%89/ https://koshiryo.com/2020/10/%e4%bf%a1%e8%b6%8a%e3%83%88%e3%83%ac%e3%82%a4%e3%83%ab%ef%bc%88%e9%96%a2%e7%94%b0%e5%b1%b1%e8%84%88%ef%bc%89/#respond Mon, 26 Oct 2020 11:13:28 +0000 http://koshiryo.com/?p=3774 Continue reading ]]>
左手に野尻湖、右手に妙高山を眺めながら歩くことは気持ちが晴れやかになる

コロナ禍で虹芝寮は閉鎖されている。気分転換で日本のロングトレイルの草分け信越トレイルを訪ねた。秋の平日は人が少なく、山小屋もなくテント泊で静かな3泊4日を過ごした。

2020年10月18日(日) 晴れのち曇り

都内~東京駅~北陸新幹線飯山駅~12:35飯山コミニュティバス~13:03斑尾ホテル前バス停~13:11-13:25リフト(片道800円)~14:00斑尾山(信越トレイル起点)~14:52万坂峠~15:06袴湿原~16:02袴岳~16:55赤池テントサイト

信越トレイルはまず専用マップを購入することから始まる。信越トレイルは、長野県と新潟県の境にある関田山脈の尾根沿いを縦走する約80㎞のロングトレイルで、平成17年に斑尾山から牧峠まで約50㎞が整備され、平成20年には天水山mで約30㎞が整備された。いつかはと思っていたが、今年は利根川や奈良俣川の沢登りが新型コロナウイルスや台風で中止になり欲求不満なところ、ちょうど秋晴れを狙っての単独行となった。北陸新幹線はくたか号を飯山駅で下車し、飯山コミニュティバスで斑尾高原ホテルへ向かう。13:03斑尾高原を出発する。ホテルの裏側に回るとスキー場と斑尾山が見える。マップだと高低差が分かりにくいが最初はレストランチロル方面に下っていく。今日は赤池までだが明るいうちに着けるか心配だった。仕事明けの午前中に都内を出ているため、斑尾高原出発が13時を過ぎている。リフトが動いているので遠慮なく利用する。信越トレイルの起点は斑尾山である。リフトを下りて約30分、14:00信越トレイル南の起点斑尾山に立つ。ブナの林を行くがスキー場の端を歩くことが多く木々が刈りはらわれている。道標が点々とありマップと参照しながら歩くと迷うことはない。これは終点までそうだった。道標のポイントを表す数とマップを参照しながら歩を進める。万坂峠はアスファルト道、車が通行している。袴湿原へ進み、袴岳、赤池へと下る。赤池遊森の館が赤池テントサイト水場、トイレとなっている。館から赤池沿いに行くとテントサイトである。看板が設置されており芝生のきれいなテントサイトである。

2020年10月19日(月) 晴れときどき曇り

5:53赤池テントサイト~5:56林道~6:14沼の原湿原~6:20沼の原湿原公衆トイレ~6:41生命の森植樹場所~6:59希望湖~7:03毛無山登山口~7:28毛無山頂上~8:48涌井~9:43富倉峠~9:57大将陣~11:20黒岩山~11:46熊ノ巣池~12:07桂池~12:16桂池テントサイト~13:50戸狩温泉スキー場~14:11とん平テントサイト(星降るキャンプ場)

秋は陽が短い。日の出が5:55、日の入りが17:02、薄明かりになるのをまって出発する。今年はブナの実が不作で熊が下界に下りてきて人がけがをして世間を騒がせている。早朝夕方は要注意である。赤池からすぐに林道を横断し沼の原湿原へ。ここは5月頃がミズバショウと残雪が美しいという。ぜひ家族と来てみたいところだ。毛無山への登り約30分、景色がいいところがある。ちょうど雲海をみることができた。毛無山から畑の中の道を下り、水場があるはずだが水がなく、小さな川で補充する。しばらく行くと涌井である。ここから民家の横を通って富倉峠へ登る。富倉峠は昔の石積が残されている。信州側の集落では越後から嫁をもらうことを誇りとし、働き者の越後女性が大勢嫁入りしたとマップにあった。越後から塩、米、酒、楮が運ばれ峠で受け渡しがされていた。しばらく林道を行く。黒岩山近くで林道がなくなりブナの美しい登山道を行く。熊ノ巣池を過ぎるとほどなくして桂池である。ここは幻想的な雰囲気。桂池テントサイトは2段の芝生でコンクリートの避難小屋もある。扉はないが中には丸テーブル、旅人ノートとクーラーボックスが置かれていた。泊まりたくなるが先を急ぐ。ここからとん平まではそう遠くない。ブナの美しい林、だいたい平たんな道を行くとスキー場の上部に出た。スキー場内を下り駐車場、大きな建物(スキー場のレストラン)の隣のとん平テントサイトで宿泊する。ここも静かでいいところ、空が開けているので冬の星座がよく見えた。来てよかったな。

2020年10月20日(火) 雨のち晴れ

5:45とん平テントサイト発~6:45小沢峠~8:07鍋倉山頂~8:28久々野峠~8:36黒倉山頂~9:17関田峠~10:22牧ノ小池~10:39牧峠~11:26花立山~11:56宇津ノ俣峠~12:35幻の池~13:51伏野峠~14:32須川峠~16:19野々海峠~16:59野々海峠テントサイト

 薄明かりの中出発する。とん平テントサイトから目の前のリフトの下を通って林道に至り、そこから山道に入る。山道はしばらくトラバース、沢筋を詰めて尾根にあがる。小沢峠まで1時間。けっこう遠いと感じたがブナの大きな木があり癒される。小沢峠~鍋倉山~関田峠は信越トレイルのハイライトであった。ブナのトンネル、開ける視界、明るい紅葉の尾根歩き、どれも素晴らしい。残雪期にまた訪れたいところだ。小雨だったが晴れてきた。紅葉が風でからからと音を立てて落ちる。関田峠は駐車場や石碑があるおおきな峠。ここから牧峠までは木をまたいだりくぐることが多い。牧峠は瞽女が越えていった峠と言われている。水上勉「はなれ瞽女おりん」を思い出す。瞽女が通った道か。花立山を過ぎ急な坂を下ると宇津ノ俣峠であった。ここはほんの小さな鞍部になっている。小さなアップダウンとぬかるみ道で疲れてきた。先はまだ長い。マップは頻繁にみるのでポケットに入れておくとよい。伏野峠からは左手に菱ヶ岳がかっこよい。足を上げるのがきつくなる頃、野々海峠に立つ。ここから30分アスファルト道を下ると今日のテント場、野々海峠テントサイトである。ブナの林と湿原と池がある神秘的な場所だった。時刻は16:59、日没近く。今日は11時間行動した。途中、伏野峠ではクーラーボックスがありミネラルウォーターが入れてあった。水を心配してトレイルエンジェルの方々である。ほんとうに頭が下がる。低山だから夏は暑く、水の補給が縦走の肝になってくると思う。

2020年10月21日(水) 晴れ

5:45野々海峠テントサイト~6:00深坂峠~6:23三方岳~7:11天水山~9:00栄村口~9:59森宮野原駅~バス~越後湯沢駅~大宮~帰京

野々海峠テントサイトからアスファルト道を約15分程度で深坂峠近くまで到着する。涼しくて気持ちがいい。三方岳までは意外と近い。天水山が最後の頂上である。ブナの山頂でいいところ、北の起点である。信越トレイルは3泊4日の素晴らしい旅だった。感慨にふけりながらゆっくりと栄村口に下る。途中本線ルートと森のルートと道が分かれる。本線ルートを歩いたが途中から林道歩きになったので、森のルートがいいかもしれない。途中で本線と合流するとのことだったが、合流地点は分からなかった。車の走る音が聞こえてくると国道117号である。森宮野原駅まではすぐである。5泊6日で歩けると一日の行動が5~6時間でかなりゆとりが生まれる。マップに「世界一の山脈 関田山脈:南木 均著」が抜粋で紹介されていた。関田山脈に興味を持ったので読んでみたい。

飯山コミニュティバスの終点 斑尾高原ホテル
斑尾高原ホテルの裏に回るとスキー場と斑尾山が臨める 雲に隠れた山頂を目指す
2020 10/18  信越トレイルの南の起点、斑尾山からスルーハイクスタート
斑尾山頂から10分の分岐点
紅葉のブナ林を歩く
左手に野尻湖、右手に妙高山を眺めながら歩くことは気持ちが晴れやかになる
高度を下げると万坂峠、ここは車道
アケビがたくさんなっています。
赤池テントサイトに到着、芝生のテントサイト
2020 10/19  沼の原湿原 残雪期はミズバショウが美しいが今は枯れ野原
希望湖が突然表れるさまは神秘的
毛無山登り口、ここから30分で頂上
毛無山山頂近くの展望台 雲海で眼下に畑、この後標高を下げ雲海に入っていく
毛無山から畑の横をとおり車道に下りると涌井 ここから富倉峠への登り口        途中の清水は発見できず沢で水をくむ
富倉峠へは民家の横を通る
富倉峠 越後と信州の交流の峠 石積みが残されている
長い林道の末に桂池に到着
桂池に沿って山道が続いている
桂池テントサイトまではアスファルト道を歩く
アスファルト道をから少し登ると桂池テントサイト 2段の平地に屋根付きの避難小屋
仏ヶ峰登山口付近のブナ美林
とん平スキー場上部に出た ここからとん平テントサイトまで下る
星降るキャンプ場の水道、お手洗いをつかわせてもらう
とん平テントサイト 
とん平テントサイトから、目の前のリフトの下をくぐり林道を経て信越トレイルに戻る
小沢峠まではブナの美林
とん平テントサイトから小沢峠まで約60分
鍋倉山1,288ⅿ 鍋倉山前後は信越トレイルのハイライト
久々野峠
ブナのトンネルにうっとりする
黒倉山頂 平坦な道が続く
ここが関田峠 大きな峠で駐車場や石碑がある
関田峠からさらに信越トレイルは続く
小さなアップダウンを繰り返し牧峠へ
新潟側には山の斜面に棚田が見られる
ブナ林は続く いままでより幹が黒っぽい
とん平テントサイトから約10時間歩き野々海峠へ至る
野々海峠テントサイトへはアスファルト道を行く この歩きは疲れた体に堪えた
野々海池の日没
野々海峠テントサイトの看板 各テントサイトには立派な看板があり分かりやすい
野々海峠テントサイト全景
2020 10/21 野々海峠テントサイトから深坂峠までは約15分
出発後、日の出となりブナに朝日があたる
三方岳を過ぎる
天水山頂上 信越トレイルのゴール(3泊4日)
栄村口方面へ下る
栄村口からさらに森宮野原駅へ
栄村口の鎮守様
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虹芝寮今季初冠雪 https://koshiryo.com/2019/11/virginsnow/ https://koshiryo.com/2019/11/virginsnow/#respond Thu, 21 Nov 2019 08:57:10 +0000 http://koshiryo.com/?p=3465 Continue reading ]]>

11/19-20に虹芝寮に行ってきました。

20日は強い風の音で朝、目が覚めると外は一面の銀世界でした。雪線が低い標高まで降りてきて山はいよいよ冬本番の趣です。

2週間前に新調された薪ストーブの暖かさが心と身体に沁みました。

熊崎

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積雪期上越国境縦走      https://koshiryo.com/2019/03/%e7%a9%8d%e9%9b%aa%e6%9c%9f%e4%b8%8a%e8%b6%8a%e5%9b%bd%e5%a2%83%e7%b8%a6%e8%b5%b0%e3%80%80%e3%80%80%e3%80%80%e3%80%80%e3%80%80%e8%b6%8a%e5%be%8c%e9%a7%92%e3%82%b1%e5%b2%b3%ef%bc%8d%e8%93%ac%e5%b3%a0/ https://koshiryo.com/2019/03/%e7%a9%8d%e9%9b%aa%e6%9c%9f%e4%b8%8a%e8%b6%8a%e5%9b%bd%e5%a2%83%e7%b8%a6%e8%b5%b0%e3%80%80%e3%80%80%e3%80%80%e3%80%80%e3%80%80%e8%b6%8a%e5%be%8c%e9%a7%92%e3%82%b1%e5%b2%b3%ef%bc%8d%e8%93%ac%e5%b3%a0/#respond Sat, 30 Mar 2019 09:18:13 +0000 http://koshiryo.com/?p=3203 Continue reading ]]>

平成31年(2019年)3月から遡ること、60年。昭和33年(1958年)3月に行われた成蹊大学山岳部春合宿を振返る。写真は、当時三年木村健司氏、文章は当時三年CL西口雅氏、岩と雪Ⅰへの寄稿である。

「岩と雪Ⅰ」昭和33(1958年)年7月1日発行
昭和33年(1958年)3月成蹊大学山岳部春山合宿の記録

越後駒ケ岳の麓、駒の湯を3月9日に出発し、越後駒ケ岳、中の岳、下津川山、巻機山、蓬峠を経て3月29日虹芝寮に到着し縦走終了

隊の編成 越後駒ケ岳-巻機山縦走隊=CL西口雅(三年)、木村健司(三年)、大池康司(二年)。巻機山-虹芝寮縦走隊=CL西口雅(三年)、SL柴田雄二(四年)、馬場秀雄(二年)。駒ケ岳サポート隊=SL柴田雄二(四年)、馬場秀雄(四年)、井草洋太郎(一年)。巻機山サポート隊金井徹(四年)、金子喬一(二年)、水上三栄(二年)

我々が五七年度の総決算ともいうべき春山合宿に上越国境を選んだのは、この縦走を昨年計画し失敗していることが大きな理由でもあるが、我々が二年もかけて上越国境の縦走を企てたのは成蹊が谷川岳に小屋を持って、長い間親しんでき、且つ最も身近な上越の山に未だ完全に知られていない中ノ岳から巻機山の国境稜線があると言うこと。そして此処は特に積雪期には全くと言って良い程一般には知られておらず、越後駒ケ岳より谷川岳までの一貫した縦走記録は上越の山に関心をもつ我々にも手に入らないのであった。
以下写真はすべて木村健司氏提供

この国境尾根は中ノ岳巻機山間は猛烈なブッシュで無雪期に歩かれるのは極めて少なく、利根川を遡行したパーティが尾根上に立つ位で縦走は残雪気に行われるのが多かった。上越に残された、我々にとっても未知のこの国境を雪に苦しめられ乍らも、歩いてみたいと言うのが永年の念願であった。

後記 我々の合宿を期間内に無事に終了させることができたのは、一口に言えば天候に恵まれたためである。昨年の悪天候が予想以上であったように、今春の好天も予期していなかったことで、これに加えて過去の苦い経験から十分の期間をとったこと、参加した部員の殆どが積雪期の上越を知っていたことが全員に精神的にも余裕をもたせていた。昨年の、失敗の苦い経験が貴重なものとなって生き我々の上越国境の縦走に結末をつけてくれた。気象的条件の変化の影響を受けることの著しい上越において天候に恵まれたと言うことは、自然から厳しい試練を受ける機会をそれだけ失ったことになる。しかし我々は我々の力の範囲内で全力を傾けたのであり、山はそれだけのものを与えてくれたに違いない。

 縦走を終えて虹芝寮に入る。「この小屋は建てられてから25年を経る古い小屋であるが、いつもそうして人を迎える姿にはおおらかな慈愛が溢れていた。縦走の終着点虹芝寮に到着したのが十二時三〇分。二十日間におよぶ縦走を無事完成せしめることが出来たのだ。我々はこの喜びと、次の新しい目的に対する闘志を抱きながらも疲労は隠せなかった。顔をあげると雲の切れ目から五日ぶりに見る青空が祝福を与えてくれるようだった。」  

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https://koshiryo.com/2019/03/%e7%a9%8d%e9%9b%aa%e6%9c%9f%e4%b8%8a%e8%b6%8a%e5%9b%bd%e5%a2%83%e7%b8%a6%e8%b5%b0%e3%80%80%e3%80%80%e3%80%80%e3%80%80%e3%80%80%e8%b6%8a%e5%be%8c%e9%a7%92%e3%82%b1%e5%b2%b3%ef%bc%8d%e8%93%ac%e5%b3%a0/feed/ 0
仏岩~阿能川岳~小出俣山~十二社ノ峰(小出俣沢流域周回) https://koshiryo.com/2019/03/%e5%b0%8f%e5%87%ba%e4%bf%a3%e6%b2%a2%e6%b5%81%e5%9f%9f%e5%91%a8%e5%9b%9e/ https://koshiryo.com/2019/03/%e5%b0%8f%e5%87%ba%e4%bf%a3%e6%b2%a2%e6%b5%81%e5%9f%9f%e5%91%a8%e5%9b%9e/#respond Thu, 28 Mar 2019 09:34:58 +0000 http://koshiryo.com/?p=2888 Continue reading ]]> 虹芝寮から近い山域であるが、あまり知られていない静かな山があるので紹介したい。谷川岳を盟主とする上越国境稜線の南側に広がる阿能川岳や小出俣山は訪れる人も少ない山域である。上越国境稜線のオジカ沢の頭から爼倉山稜を経て谷川乗越の南側に小出俣山がある。小出俣山は谷川岳の前衛峰ともいえる位置にあり東に阿能川岳、西に三尾根岳を領袖として1,749mを頂点としている。虹芝寮整備の後、すずもりの湯に立ち寄ることがある。すずもりの湯を囲む山々はこの山域の尾根の末端である。すずもりの湯からさらに登ること6kmで仏岩越の入り口がある。今は赤谷越と呼ばれることが多いようだ。仏岩ポケットパークと駐車場があり、仏岩トンネルが開鑿されている。仏岩越を起点として、阿能川岳、小出俣山、十二社ノ峰を周回した。寮がある湯桧曽川流域の山脈は馬蹄の形をしていることから通称馬蹄形と呼ばれているが、小出俣川流域の山脈も小さな馬蹄形をしている。登山道はないため積雪期残雪期に歩かれている。

平成31年3月23日から3月25日までの登山記録(仏岩越~阿能川岳~小出俣山~十二社ノ峰~川古温泉)柿沼恭介、打矢和之

平成31年3月23日(土) 曇り 午後から強い西風

6:45仏岩駐車場~7:12仏岩峠~7:49ピーク1,236m~8:30鍋クウシ山1,314m~8:50天子山1,399m~9:30三岩山1,568m~10:40阿能川岳1,611m~12:45小出俣山1,749m~15:30三尾根岳東側コル1,650mテント泊

登山の起点は仏岩ポケットパークの看板からで、ザラメ雪の中を進むが登山道が判別できる程度の積雪であるため道を失わないように注意する。杉林の中のため目指す仏岩峠の位置が下からは分からない。30分で仏岩峠に立つ。吾妻耶山との分岐である。川古温泉へは落ち葉の中を峠道がゆるやかに下っている。峠には雪がなく踏跡が尾根伝いにあり藪をこぐことはない。鉄塔のあるピークで休憩する。送電線の周囲は木が伐採されており荒らされている。鉄塔から先は完全に雪で覆われようやく春山らしい雰囲気になってきた。幅の広い尾根がゆるやかに続いている。鍋クウシや天子山ははっきりと分からずに通過する。尾根が狭まり小さな露岩やアップダウンが出てくるのは三岩山である。松の根や枝が出ているので掴まるところは多く、ザイルを出すようなところはない。この山行では、ザイル、ハーネス等は持参していない。5m位のルンゼ状を下る場所があるが、根をしっかり掴みアイゼンを利かせれば問題なく下れる。三岩山を過ぎると尾根は再び幅広くなりゆるやかに伸びあがると阿能川岳である。阿能川岳は長稜であり北の端に小さな表札が掲げられている。南東に尾根が伸びており水上寺まで続いている。上部は十分に雪があるが水上寺付近はすでに雪が消えているので登山適期は過ぎている。今年は雪が少ない。

 阿能川岳から小出俣山への尾根筋に入る。尾根は緩やかに続くが最後に傾斜が強くなり小出俣山の肩に出る。斜面では雪面にクラックが入り恐ろしく、北側の灌木帯に入る。灌木帯は安全である。小出俣山の肩からは谷川乗越と阿弥陀川が臨める。赤谷川はドウドウセン上部から阿弥陀川と名前を変えているが源流部は阿弥陀経の来世の如き美しさがある。

 小出俣山の先から三尾根岳とのコルを目指す。雪庇は南側に張り出しており北側は灌木帯である。急な下りがあるが灌木帯に沿って下って行けば難しい処はない。強い寒気の影響で次第に天候が悪化し吹雪となる。三尾根岳東側コル1,650mに適当なテンバを見つけたので行動を終えた。

平成31年3月24日(日) 曇り 終日強い西風

13:00三尾根岳東側コル1,650m~13:35三尾根岳1,720m~ピーク1,621m~15:15松ホド山1,481mテント泊

朝から穏やかに晴れるはずが強い東風で地吹雪となっており、風が止むのを待つ。12:00になっても風が収まらないので行動を開始する。三尾根岳までは50mの登りで東側に雪庇が張り出している。三尾根岳から南南西に進路を変える。西尾根が出ているので視界が悪い時は注意が必要である。コンパスで現在地を確認する。雪庇は全て西側を巻き気味に下るが石楠花の灌木が多い。1,621mピークもあっさり西側から巻き下る。松ホド山まで来れば平坦な幅が広い尾根となりどこでもテンバとなりうる。松ホド山から100m程南へ歩き行動を終えた。

平成31年3月25日(月) 快晴 無風

7:30松ホド山~7:45十二社ノ峰~9:50林道~10:00川古温泉~11:00仏岩ポケットパーク(起点に戻る)

夜中に目が覚めると、月明かりでテントにぶなの枝の影がでていた。外は銀世界で仏岩越から阿能川岳の長い稜線が横たわっていた。6:00に起床し7:00発、15分後に十二社ノ峰に立つ。長年憧れてた十二社ノ峰に漸く立つことができた。十二社ノ峰からはコンパスを設定し真南へ下る。途中いくつも小尾根が派生しているがコンパスで南を指す尾根を下ればよい。最後に地形図の毛虫マークのある岩場があるので東側へ徐々に下り林道へ下りる。10分で川古温泉、一時間後に仏岩ポケットパーク(起点に戻る)へ。途中、富士浅間神社で無事の下山を感謝した。 踏高会 柿沼 恭介

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堅炭岩の水晶 https://koshiryo.com/2018/10/%e5%a0%85%e7%82%ad%e5%b2%a9%e3%81%ae%e6%b0%b4%e6%99%b6/ https://koshiryo.com/2018/10/%e5%a0%85%e7%82%ad%e5%b2%a9%e3%81%ae%e6%b0%b4%e6%99%b6/#respond Sat, 13 Oct 2018 02:26:22 +0000 http://koshiryo.com/?p=2599 Continue reading ]]> 平成30年(2018年)秋の虹芝寮整美を終え学生さんたちは帰り途端に静かになる。翌日から堅炭岩を目指す。βルンゼからコルに出て中芝新道を経て一ノ倉岳~蓬峠まで縦走し虹芝寮に戻った。堅炭岩は水晶が見つかる。広いカールボーデンの中、どこにあるのか時間が許す限り探すのは面白い。

左からK峰、KⅠ峰、KⅡ峰、KⅢ峰、KⅣ峰。KⅡとKⅢの間がβルンゼである。

βルンゼは中央のコルに突き上げている

水晶1

真下からK峰とKⅠ峰

古いリングボルトが過ぎし登攀を知る

堅炭沢カールボーデン

リングが切れたボルト

KⅠ峰に陽が当たる

水晶の結晶

水晶1

細かな水晶

水晶の結晶がはっきり

αルンゼ取付き

KⅡ峰とKⅢ峰のコルから湯桧曽川

KⅢ峰から堅炭沢

茂倉岳から武能岳に続く尾根

蓬峠から虹芝寮への分岐

芝倉沢出合からの堅炭岩

堅炭沢を登っているとぬめりのあるきのこに出合った。食べられるか否か分からないが美味しそうである。かじってみてもほのかに甘い。虹芝寮の図鑑で調べるとならたけもどきらしい。食べ過ぎに注意とある。ゆでこぼして水にさらし塩漬けにすると美味しいと記載がある。家に持って帰り恐る恐る少しだけ食べる。なめこのようなぬめりと腐葉土のような香りが美味しい。

堅炭沢のならたけもどき

食べ過ぎに注意だがぬめりがあり美味しい

ゆでこぼして水にさらして食べる

ならたけもど

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中高山岳部虹芝寮合宿2016 https://koshiryo.com/2016/07/schoolboys2016/ https://koshiryo.com/2016/07/schoolboys2016/#respond Fri, 29 Jul 2016 14:46:06 +0000 http://koshiryo.com/?p=2149 Continue reading ]]>

7月26日(火)

雨の中、増水した沢の渡渉にちょっとビビリながらも全員元気よく入寮。高2のS君はみんなのためにでっかいすいかを担ぎ上げてくれた。夜半まで雨は降り続き、明日以降の天候が心配された。

7月27日(水)

早朝4時に起床したときは小雨が降っていたが、回復を期待して5時半に白毛門を目指して寮を出発。東黒沢出合で一休みし、樹林帯の急登を喘ぎながら登った。天候は少しずつ回復の兆しがあり、むしろ太陽の照り付けがない分だけ暑さが凌げて楽だったかもしれない。標高差1000mを3時間半で登り切り、全員元気に白毛門に登頂した。当初は余裕があれば笠ヶ岳を往復する予定だったが、天候が不安定だったので躊躇なく下山することとし、急な岩場をおっかなびっくりしながらも、登りとほぼ同じコースタイムをかけて東黒沢出合に下山した。虹芝寮に戻ってから食べた冷たいスイカが胃袋に染み渡った。

7月28日(木)

登山の翌日はこれもこの合宿の大切な目的の一つだった虹芝寮整備を実施。室内班、外回り班、台所班の3グループに分かれてそれぞれOBと顧問の指導のもと、中村春二先生の建学の精神を地で行く「心の草をとる」小舎掃除に全員で打ち込んだ。生徒たち、家では上げ膳据え膳のお坊ちゃまたちだろうけど、みなすごく真剣に小舎掃除をしてくれたことが印象的だった。将来、社会の中核を担うエリートたちはこうした肉体労働に汗水たらすことを厭ってはいけない。昼食後には水源枡を見学してから成蹊スロープに行き、故人のレリーフをお参り。その後は湯檜曽川で川遊びや釣りに興じた。決して暑いというほどの日差しはなかったが生徒は全員、冷たい水に入って大騒ぎした。夏の虹芝寮を遊びつくすのだ。

7月29日(金)

3泊4日の合宿も早や最終日。朝から小舎掃除を行い、戸締りをしてから、この日「清水越えの歴史」をレクチャーしてくださる地元郷土史家阿部利夫さんをお迎えする。阿部さんは植生にも詳しく、旧道を下山しながら、谷川岳固有の植生や清水越え旧国道の歴史についてお話を聞く。生徒たちは皆、重たい荷物を背負っていることも忘れて熱心に話を聞き入った。谷川岳山岳資料館を見学し、合宿は無事に終了した。


僕が初めて虹芝寮に来たのはもう40年以上前のことになる。でっかいキスリングを背負って駅に向かう僕を見た両親はどれだけハラハラしたことだろうか。来し彼方をふと振り返ったとき、刹那の想いが三千世界を駆け巡った。

今回の合宿に際して、指導者としての勝手な目的は次の4つがあったのだが、どれも一応何とか達成出来たかと思う。

  1. 怪我なく無事に全員で白毛門に登頂することで、心身を練磨する。
  2. 虹芝寮整備を徹底して行なうことで、虹芝寮への理解と愛着を深める。
  3. 地元郷土史家阿部利夫さんに「清水越えの歴史」をレクチャーしていただき、教養を深める。
  4. 衣食住を共にする合宿で、部員間の、またOBとの親睦を深める。

これらの成果を部員たちは来る10月1日(土)・2日(日)の蹊祭で発表する予定ですので、是非皆さんには足をお運びいただき、部員たちに接する機会を持っていただきたく存じます。

(文責:熊崎和宏)

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虹芝寮サバイバル https://koshiryo.com/2015/07/survival/ https://koshiryo.com/2015/07/survival/#respond Fri, 03 Jul 2015 12:33:19 +0000 http://koshiryo.com/?p=1796 Continue reading ]]> 寮整備のあと、西田氏・柿沼君によるサバイバル訓練がひそかに行われた模様です。なんでも米と最小限の調味料のみで、己の限界にチャレンジしたとのこと。ただし寄せていただいた写真を見る限り、贅を尽くしたサバイバルだったようです。柿沼 恭介

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新緑と残雪の虹芝寮 https://koshiryo.com/2015/05/may/ https://koshiryo.com/2015/05/may/#respond Mon, 25 May 2015 06:31:38 +0000 http://koshiryo.com/?p=1683 Continue reading ]]>
谷川岳一ノ倉 All members

谷川岳一ノ倉 All members

週末、成蹊高校山岳部OBとその友人たち7名で新緑と残雪の虹芝寮を楽しんできました。
写真は小学館写真室長の太田真三先輩によるものです。
(踏高会熊崎氏)

新緑が綺麗

新緑が綺麗

芝倉沢で蕗のとうを摘む

芝倉沢で蕗のとうを摘む

蕗のとうのてんぷら

蕗のとうのてんぷら

寮の朝

寮の朝

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赤倉沢から白毛門 https://koshiryo.com/2015/04/%e8%b5%a4%e5%80%89%e6%b2%a2%e3%81%8b%e3%82%89%e7%99%bd%e6%af%9b%e9%96%80/ https://koshiryo.com/2015/04/%e8%b5%a4%e5%80%89%e6%b2%a2%e3%81%8b%e3%82%89%e7%99%bd%e6%af%9b%e9%96%80/#respond Mon, 20 Apr 2015 12:39:59 +0000 http://koshiryo.com/?p=1637 Continue reading ]]> IMG_7011

土日と、佐藤君、長島君と誘って、日本山岳会栃木支部の方たちと虹芝寮に行ってきました。

天候に恵まれて赤倉沢から白毛門をピストンしましたが、佐藤君と長島君という踏高会きってのトレイルランナーに煽られまくり、標高差1000mを2時間半で登りきりましたが、ばてました。
(踏高会熊崎氏)

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